日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃過形成性ポリープにともなう萎縮性胃炎の検討
― 特にメチレンブルー染色法からみた腸上皮化生の広がりについて―
春間 賢隅井 浩治忌部 明木村 学豊島 仁村上 信三松原 秀樹徳毛 健治井上 和彦吉原 正治梶山 梧朗日高 徹末永 健二
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1989 年 31 巻 2 号 p. 334-343

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抄録

胃過形成性ポリープ61例,胃腺腫9例,隆起型早期胃癌8例及び局在性病変を認めない萎縮性胃炎20例について,間接メチレンブルー染色法を用い,腸上皮化生の程度ど広がりについて比較検討した.胃腺腫,隆起型早期胃癌及び萎縮性胃炎では,前庭部から胃角部を中心として,中等度から高度の腸上皮化生を認めたのに対して,胃過形成性ポリープでは前庭部の腸上皮化生は概して軽度で,その広がりをみても非化生型や,中間帯及び胃体部を中心としたものが高率に存在した.また,いずれの疾患も胃酸分泌の著しい低下を認めたが,血清ガストリン値については胃過形成性ポリープで有意な高値を示した.これらの結果から,今回検討した疾患はいずれもその背景に萎縮性胃炎をともなうが,胃過形成性ポリープではこれまで報告されてきた,前庭部を中心とした通常の萎縮性胃炎とは異なる特異な病態のものが高率に存在することが明らかとなった.

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